南の龍
第6章 事件
キスはどんどん激しさを増していく。
刻のキスとは全然違う。
刻に優しさがあったのかは分からないけど、この男のキスには優しさが感じられない。
ほんとに滅茶苦茶だ。
てか、このままいったらヤバイことになるんじゃないのか?
逃げたいのに手も足も縛られてるからどーにもできない。
くそっ!縛られてさえいなかったらこんなやつ余裕でぶっ倒すのに!
私は、手のロープをほどこうとするけど、なかなか取れない。
もう、腕がヒリヒリしてきて痛い。
口の中に男の舌が入ってきて、私の舌に絡めてくる。
……気持ち悪い。