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第3章 三

このままの状態がいつまでも続くことはない。

そんなことはわかっている。

それでも離れられない。

離してほしくない。

傍にいて、触れていたい。

ほしい。

言葉にはしないけど。

彼も同じ。

僕は中途半端のまま、ここにいる。

彼が望むなら。

それでもいい。

本当に彼が欲しているものを僕は知っている。

そしてそれを与えられるのは僕だけだ。

どんな代償を払っても彼が欲しい。

彼の愛情が。

それが、僕自身でなく指でも。

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