恋モヨウ
第1章 好きな人
「はあー・・・」
教室に来た私は、席に着いてさっそくため息。
「また、渡せなかったんだ」
「悠菜ぁー」
悠菜とは、私の一番の友だち。
水城悠菜。名字の通り、達也先輩の妹。
兄妹そろって、美男美女なわけよ。
うらやましいー、達也先輩の妹なんて。
「早く渡しちゃいなよ。1ヶ月も持ってるんでしょ?」
「でも・・・・」
私は、手に握られているミサンガを見た。
これは、達也先輩のために作ったミサンガ。
私とおそろいのを作ったが、シャイな私には渡せず、1ヶ月間も自分で持っている。