君色に染めて。
第1章 #1
「ふっ、りょーかい!じゃあこれ鍵な?俺達はもう行くからさ。」
チャリッと音を立てて、この部屋の鍵は廉君に手渡された。
何だかんだ言って、諒君は良い人だと思う。普通レイプ中にこんな場面で退く男の子はいないはず。
だけど私が声をかける事は出来なくて…二人の姿をみていると、
「諒…、サンキューな。…翔太も、ごめん。」
必死に自分の気持ちを伝える廉君。そんな廉君に翔太も諦めたのか、
「分かったよ。その代わり…明日プリン2個廉の奢りな〜」
プリン2個と引き換えなのか私の身体は!!
せめてもう少し奢らせなよ、10個とかさぁ!
一人論点がズレて別世界に行っているあたしを無視して、
「ああ、任せろ。」
クスリと廉君は笑った。
優しい朗らかな笑顔。
どこまで私の心をくすぐれば気が済むのだろうかこの人は。
「じゃ、ホントに行くな!あ、愛ちゃん、もし廉と相性合わなかったらいつでも待ってるよ~❤」
「あ!俺も俺も~♪」
「アハハハ…」
「それはさせないから!」
最後に皆で笑い、"バイバ~イ"とそう言って、
バタン
と音を立てて諒と翔太は部屋を出て行った。
部屋には私と廉君だけが残されていた。