君色に染めて。
第2章 #1おまけ。
今まで廉は俺達の弟のようで。
いつでも自分の事は二の次だった。
ダチなんだから遠慮なんていらないのに、
いつでも俺らの気持ちばかり優先してくれていた。
そんな廉を勿論俺も翔太も好きだったし、誰より尊敬していた。
そんな廉が初めて、自分の"声"を聞かせてくれた。
とは言っても、俺が言わなきゃあいつはまた言わなかっただろうけど。
でもダチだからこそ分かるんだよね、普段との違いが。
あの時は確かにいつもの廉とは違って。
少し俺らの事を心無しか睨んでいた気がした。
愛ちゃんを手放したのは凄く残念だし、
この学校でも上を行く位の上玉だから正直理性なんてもてない位俺の身体は欲していた。
だけどそれ以上に、俺は廉の事が大切みたいで…
廉が傷付く所は見たくなかったみたい。
愛ちゃんならきっと、
廉の心の声を開かせてくれる。
きっと、愛ちゃんなら…。
愛ちゃん、
廉を愛してあげて。そして、手離さないで。
廉は…
今にも壊れそうな俺らの大切な人だから。