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機動戦士ガンダムδ

第3章 襲撃

「噂…かね?」
「はい、何せ一年戦争の中でももっとも活躍した機体ですし、経験の浅いものなんかはジオンにはガンダムという一種のプロパガンダが出来上がってるみたいです。」
話でしか聞いたことがなければ、無理もない話だろう。当時を知る自分も少なからずそういう考えはもっている。
「一種のプロパガンダ…か。それがどうかしたのかね?」
「先日の宙賊との戦闘も含め、数年前のこともあります。ガンダムに乗ってきたのが幸か不幸かニュータイプの少年ばかり、それが今この艦でも起こっています。このままでは、クロードを宛にして無理をさせる状況が起こり得るかもしれない。」
それはあなたとしても不本意でしょう?と深刻な面持ちで問いかける。
確かに、まだ彼は子供、ニュータイプだとしても大人が子供を宛にして無理をさせるなど人として考えるべき部分でもある。
第一に現在のこの艦には、兵力が足りていない。上の連中が何を考えているか図りかねるが、ガンダムはたったの一機で戦局を変えるほどの力を持っている。
それも先日にこの目で見た。
だが、内蔵されたシステムの問題だけでなく、まだ自分達の知らぬなにかがあるように思えてならない。
そこに乗員全員の期待に答えなければというプレッシャーがかかれば、彼にいい影響を与えることはまずないだろう。

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