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機動戦士ガンダムδ

第1章 始まりの日

「アルダ艦長、自分のことは自分が一番よくわかります。ご心配は無用です。」
アルダ・ウィンストン、この艦の艦長であり、ほぼクロードの保護者でもある。
「しかし、まるで機械的な生活スタイルを送っているようにしか見えないぞ?」
それもそのはず、クロードはまだ14…艦にのりパイロットとして戦うなど考えもしない。
自分の力に気づき始めたのは、四年前…十歳にして民間のモビルスーツをのりこなせるようになり、貧しい家族のために働いた。戦争の爪痕は、なかなか癒えない…。目に見える傷、目に見えない傷、どちらもしかりだ。
圧倒的に被害の多かったクロードの故郷は、経済的にも地をはう状況、労働力はいくらあっても足りない。
できることはする、その思いひとつで働き続け、仕事先でこの艦長に誘われた。本人は酒に酔った勢いだったようだが…。今の収入より、軍の手伝いのほうが儲かる。幼いながらに誘いにのった。
行けば、自分が戦わずとも巻き込まれはする。ある時、兵力の多くを失い、虫の息だった所を狙われたことがあった。
死にたくない、そう思ったとき、体がかってに動いていた…。艦のモビルスーツにのり、敵機を二機落としていた。無意識のなか体の全神経が研ぎ澄まされ、時が見えた気がした。
帰艦し、大人のもとに戻れば、喜びに叫びをあげるもの、自分をよくやったと称えるもの、不思議と喜びはわかなかった。
艦長は、動きが読めているかのようだったと…。心当たりがあるらしく、何日間か費やし、艦の修復を終えて施設へ向かった。そこで検査を受け、予想もしないニュータイプであることを知った。

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