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機動戦士ガンダムδ

第1章 始まりの日

だが、検査を終えては検査、次第に心は閉鎖的になっていった。
この年で家族と離れ収入は送りつつも、見ること叶わぬ家族の顔…。おまけにニュータイプだといわれ、閉じ込められ検査ばかりと来ればそうもなるだろう。
自分がこんなに幼い子供を巻き込んだ…その事実はアルダを苦しめた。せめてもの償い…検査をやめさせ、いるべき場所へ返す…。クロードと面会をし、口数は少ないが少しずつ前のように話せるようになった。
検査は中止、ここまではアルダの力でできた。しかし、そこから先はこの子が決めること、恐らく自分がニュータイプであることを知った以上、周りに疎外感を感じるかもしれない。
だが、少年は言った。
できることはなんでもします…だから追い出さないで…と、アルダは胸を打たれた。家族のために、強い思いで必死に自分の運命と戦う…。精神力だけではない、子供が訓練も受けずに軍のモビルスーツのGに耐えることが、動かせたことが、信じられない。この子には宿命がある…。アルダは問うた、「人のために…自分のために戦う覚悟はあるか…?」
「やります…!」
小さくもたしかな覚悟。それを持ち続け今に至る。

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