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君~タイセツサト、トウトサ~

第6章 第五章

郁-Iku-

俺がどれほどキスをしても泣き止まない。

郁:「美成…子」

美:「ふぇ…」

チュッ

美:「んっ…」

俺は舌を入れた

美:「ふぅ…んっ」

郁:「もぅ…なき…止めよ」

美:「ふぇ…んんっ」

何でだ、何でこんなに美成子が泣くんだ
なにが悲しいんだ、どうして…っ

そう思っていると
自然に俺も泣けてきた

美:「!!…い…く?」

郁:「しゃ…べるな…キス…だけ…に
  しゅ…うちゅ…うし…とけ」

美:「んんっ…ふっ…」

もぅ泣くなよ。
お前の可愛い笑顔を見してくれよ…

美:「くる…しっ」

まだ慣れないんだな
まぁ、一緒にいた期間が少なかったからな

俺はそっと唇を離した

美:「ヒック…ヒック」

俺は美成子の頬にそっと触れ
顔を上げさせ
涙をなめた

ちょっと、しょっぱいかな?

俺の唇はそのまま美成子の唇に触れ
また、深い深いキスに変わる。

コンコン

先:「失礼します」

俺は美成子から唇を離し
ベッドに酸素マスクを付け
寝転んだ…。

美:「グスッ…」

先:「郁君調子はどうかな?」

郁:「…」

俺は首を傾げた

先:「今から検査に移りますので」

そう言って
主治医の横に立っていた看護士が
俺の酸素マスクをとり立たせた

フラッ

先:「おっと…」

俺は間一髪で先生に受け止められたら

先:「そんなに進行…」

主治医がなにか言いかけたけど
途中で辞めた

先:「おい、車椅子を」

看:「はい…」

郁:「んなの…いんねぇよ!
  歩ける…」

そう言い
主治医の手をふりほどき
自分の足で歩いた

フラッ

ガクッ

郁:「っちく…しょう!!」

何で言うこときかねぇんたよ!!
俺の体だろ?

んでだよ!!

郁:「ちく…しょう…っ」

美:「郁…」

ギュゥゥ

美成子が後ろから俺を抱きしめた

美:「先生の…言うこと聞いて
  車椅子…のろ?」

泣きすぎて
途切れ途切れで話す美成子を見てると

俺はもう死ぬんだなって感覚に襲われる

郁:「わかっ…た」

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