俺はもう、
第5章 *卒業...
「玲奈、」
「んー?」
「・・・何でもない。」
「なによ。気になるじゃん。」
美味しいって言いながら綺麗に残さず食べてくれた食卓の後片付けをする玲奈に、ソファーに座りながらテレビを見る優が話しかける。
「俺、付き合ってないから。」
「え?なに、今さら。」
「いや、まじで「そんな嘘いいよ。私が失恋したから慰めようとしてるならやめてよね。私、振られたなんてこれっぽっちも思ってないんだから。」
食器を洗いながら笑う玲奈は優の言葉を遮った。
「でも今日はありがとね。
優のお陰ですっきりした。暴力は反対だけど。」
くすっと笑った玲奈の腰に手が回され、後ろからぎゅっと抱きしめられた。
「・・優っ・・・?」
「俺の話聞いて。」
「話って・・・?」
水道をいったん止めると、タオルで手を拭った。