俺はもう、
第5章 *卒業...
「河野くんは知ってたよ。
私と優が幼馴染のこと。」
「は?なんで?」
「夢ちゃんが言ったんじゃない?優を脅す前にさ。」
「え?じゃあ俺ずっと騙されてたってこと?
すでにバレてたにも関わらず付き合わされてたのかよ・・・」
「夢ちゃんもそれだけ優のことが好きで必死だったんだよ。
そこまで夢中になる理由が私にはわからないけど。」
笑って少しバカにすると、抱きしめる優の腕の力が強まり肩の上に顎を乗せられた。
「俺の誕生日を暗証番号にしてる女がよく言うよ。」
「だからあれは・・・!」
咄嗟に否定しようと体ごと反回転させると、台所を後ろにかなりの密着度で優と向き合った。
「ーーっ///」
恥ずかしさで目のやりどころに困り、視線をキョロキョロ動かす。
「玲奈、」
「ん?なに?」
「こっち見て。」
改めて言われると、本当に恥ずかしくて優のことが見れない。
優のシャツのボタンを指先でいじりながら必死に誤魔化す。