
俺はもう、
第5章 *卒業...
「ねぇ、優ー」
「ん?」
「質問してもいいー?」
「なに?」
優の部屋でクッションを抱きながらベッドに腰掛ける玲奈が机に向かう優の背中に問いかける。
耳だけを澄ませる優は聞いてるのか、聞いてないのか、真剣にペンを動したままだった。
「私のどこが好きなの?」
「え?」
椅子ごとクルッと半回転した優と目が合った。
「なんだよ、いきなり」
「そういえば言われたことなかったなって。
玲奈のここが好き!みたいなこと。」
「それ、重要?笑」
「当たり前じゃん!!
気になるもん。夢ちゃんじゃなくて私を選んだ理由・・・」
「なに?そんなこと?」
呆気にとられて軽く笑った優に少しだけ苛立ちを感じた。
「・・・もういい。
聞いた私がバカでした!」
ふてくされてベッドに倒れ込むと、すぐにベッドが沈み、軋んだ音がした。
