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俺はもう、

第2章 *再会..





『さっきはごめんな。びっくりさせて。』



「ううん。
優、昔から変わってなくて安心した。
頼んでもないのに私を守ろうとしてくれるところとか。」



『お前、その言い方・・・』



「見た目はすっかり大人びちゃって全然わからなかったけど、中身はそのままでちょっと嬉しい。」



『・・・・・』



「ごめんね。今さらだけど・・・・」








二人きりの廊下で静かに響く玲奈の声。









「優が告白してくれた時、あんな言い方しかできなくて。
ほんとは嬉しかったのに・・・・
ありがとって言いたかったのに照れくさくて言えなかった。」



『いいよ、もう。
玲奈にとって幼馴染みの俺は恋愛対象外だったんだし。あの時の俺は確かに女みたいで、今の俺が見ても一発殴ってやりたいくらいだね。』



「なにそれ。」









玲奈が笑って見せると、優は玲奈の髪を撫でながら耳元に顔を近付けた。









『玲奈のその笑顔、昔から変わってない。』



「え?」



『ただ色気は増したけどね。』



「なっ・・・/////」









「玲奈大丈夫かなぁ。 」


「トイレで倒れてたりしないよね?」









廊下に響いた麗華たちの声に私たちはパッと離れた。



意味もなく、ワンピースの裾やら髪の毛の乱れを直す。












「あれ、夢ちゃんそこで何してんの?」


「トイレに玲奈いなかった?」








麗華の言葉に後ろを振り向くと、






「あ、玲奈!!、と桐谷くん・・・・
一緒だったんだ。二人とも。」



「う、うん・・・!
お互いにトイレから出たら会ってさ、さっきのこと謝ってたの。」









必死のフォローに夢ちゃんだけは笑顔を見せなかった。




むしろ私、睨み付けられてる?










「桐谷くんが一緒なら良かった。
トイレで倒れてたらどうしようかと思ってさ。夢ちゃんもトイレに行ったっきり戻ってこないし。」









麗華の言葉に私の背筋が凍りついた。



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