俺はもう、
第3章 *宣戦布告..
「今日ね、玲奈が河野くんとご飯行くからそれまでK大で一緒に講義受けるんだって。
いいよね。なんか共学の恋愛って憧れるー!」
「そうなんだ。
河野くんとずっとメールしてるの?」
「うん、一応ね。
止めるタイミングもわからないから。」
「河野くん絶対に玲奈狙いだよね!
あの時でさえ、キスしたいとか言ってたくらいだよ?玲奈、気を付けなね?」
「やめてよ。そんなんじゃないって!」
玲奈と麗華の話に大きな溜息をついた夢。
2人が顔を覗き込んだ。
「どうしたの?元気ないじゃん。」
麗華の問いかけに、また小さな溜息をついて女優のような表情で眉を下げた。
「玲奈はいいなって思って。」
「え?」
「私なんか桐谷くんに見向きもされないもん。」
「あ、やっぱり夢ちゃん・・・
桐谷くんとメール、してるの?」
気になるのか、恐る恐る伺う麗華に私も耳をダンボにして聞く。
「昨日もね、家まで送ってくれたりしたんだけど、別れ際のキスとかはまだなくてさー。
ハグとか頭撫でたりはしてくれるんだけどね?
なんか物足りないっていうかさぁ・・・」
「え?ちょっと待って・・・!
夢ちゃん、桐谷くんと付き合ってるの?」
私も同感。
この早さで付き合うとか、まぁ夢ちゃんの容姿なら有り得なくはないけど・・・
私が知ってる限りの優は少なくともそんな大それた冒険なんて絶対にしない。ましてや恋愛に関しては。
「付き合ってるのかなぁ・・・
向こうはあんまり好きとか口に出さないタイプって言ってたから、改めて聞くことでもないかなって。」
今の優は、私の知ってる中学生の優じゃなくて、一人の立派な男なんだ。
だから好きとかいちいち口にしなくても、こうやって夢ちゃんと一緒にいる。