俺はもう、
第4章 *どっちが大事?...
「ヤな奴。」
苺ミルクを一気に飲み干すと、空の紙パックを優が読むテキストの上にトンッと置いた。
「その嫌味しか言えない口のせいでイケメンが台無しだよ。可哀想に。」
玲奈の置いた紙パックのストローを、優は前歯で噛んだ状態で前後に揺らしながらふざける。
「あれ、玲奈も俺のことイケメンだと思ってたんだ?」
「あのね!!私は『玲奈ちゃん?』
「あ・・河野くん・・・!」
河野くんは私と優の関係を知らない。
なんとかして誤魔化さなくちゃー・・・
「あの、『帰ろ。お待たせ。』
「河野くん・・・?」
まるで優のことが見えてないという感じで玲奈のカバンを持ち上げた翔太。
「あ、待って・・!」
『玲奈ちゃんお腹空いてない?
駅前のクレープ食べようよ!』
前を歩きながらそう話す河野くんに適当に相づちを打ちながら、何度も優の方を振り返る。
でも優は首を横に振りながら、険しい顔を見せた。