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麗しの蓮の姫~炎のように愛して~【BL】

第4章 異端者

 浄蓮はうっかり見つめていのに気づき、慌ててまた視線を逸らした。
 ファンジョンが手で差し招くと、明月が横に座り再び彼の胸にもたれかかる。
「良いか、浄蓮。よく見ておけ。これが、男と女というものだ」
 ファンジョンの手がそろりと伸び、明月のふくよかな乳房を掴み、乱暴に揉みしだいた。押したり、捏ねたり、更には、薔薇色の乳輪に指先で円を描いてみたり。
 その都度、明月は妙な声を上げて、切なそうに身をくねらせていたが、次第に、息遣いが荒々しくなり始めた。
 見まいとしても、つい、視線がそっちへと行ってしまうのは哀しいかな、男の性だ。
 やがて、明月は獣のような声を上げて悶え始め、最後には奇声を上げて、ぐったりとその場に倒れ伏した。
「全く、どこまでも淫乱な女だ。胸を愛撫してやっただけで、いってしまうとは」
 ファンジョンが吐き捨てるように言うと、明月の方は見向きもせず、浄蓮の顔を覗き込む。
「どうだ? そなたも明月のように俺の腕の中で極楽に行ってみないか?」
 何が極楽だ。このどうしようもない破廉恥な色情狂め!
 浄蓮は心で思いつく限りの悪態を吐き散らした。
「若さま、私は妓生ではありません。私の仕事には、宴席に侍ることは含まれてはおりませんし、お客さまのお相手も本来は妓生のするべきものです」
 何とかしおらしく、怯えている小娘らしく眼を伏せて、おどおどと言ってみた。
 ファンジョンは見かけの芝居にまんまと騙されているようだ。
「それでは、今、ここで妓生になれば良い。いや、いっそのこと、お前をこのまま屋敷に連れ帰ろうか。父上からそろそろ側妾の一人くらい持っても良いとお許しが出たところだしな」

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