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第17章 変調

「八桐、顔色悪くない?」


 そう頭上から聞こえた言葉に、悠理は内心ビクリと震えて顔を上げた。

 すると、そこには友人である遥が心配そうな表情で彼女を見下ろしていた。

 ――あれ……、もう授業終わってたんだ。

 クラスメイト達が昼食を広げているにも関わらず、悠理は未だ教科書や筆記具を机に広げたままだった。

 それにしては何も書かれていないノートを訝しそうに見つめた遥は、「八桐」と真剣な面持ちでぼんやりとしている彼女へ目を向ける。


「昨日、深槻と何かあった?」
「……え」
 

 不意に遥の口から出された『深槻』という名前に、悠理は目を見開いて動揺の表情を露わにした。

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