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第17章 変調
悠理は永井からの連絡をいつでも受け取れるよう、携帯電話は肌身離さず持ち歩いていた。
本来校内での使用は禁止されているのだが、教師に見つからなければ大丈夫だろうとこれまでずっとそうしていた。
今日もその習慣通り、バイブ設定にしていた携帯をハンカチにくるんで机の中に入れていたのだ――が。
こっそりと、永井のメール(あるいは千尋の過保護メール)を予想してボックスを開いた悠理は、本文一行目にした瞬間にビクリと肩を震わせた。
小さく悲鳴をあげそうになったのはなんとか堪え、震える両手で携帯を握りしめる。
――な、んで……。
一時的に忘れていた感情がふつふつと湧き上がり、胸を押しつぶすような気持ち悪さに呼吸も自然と荒いものになる。
――なんで、あいつが……。
メールアドレスを教えた覚えのない相手からのメール、その差出人は深槻爽真と名乗っていた。
