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第17章 変調
「八桐さん、大丈夫ですか?」
ドクドクと頭に流れる血の音さえ聞こえてしまいそうなほどに神経を張りつめさせていた悠理は、聞き流していた授業を行っている教師の声でハッと顔を上げた。
そして、クラスメイトの大半がこちらを見ていることに気が付き、ゾクリと背筋を震わせる。
――あ、れ?
たった今自分の覚えた感覚を不思議に思い、その正体を探る前に教壇にいた若い男性教師が「体調が悪いなら、保健室へ言って構いませんよ?」と心配そうに声をかけてきた。
見ればクラスメイト達も同じような顔で悠理のことを伺っている。
その中に遥の視線もあったことを心苦しく思い、悠理はスカートのポケットに携帯を忍ばせてから保健室へ行く旨を男性教師へ伝えた。
