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第17章 変調

 ――保健室の先生って、男だったんだ……。

 入学以来一度も利用したことがなかったために当然女性がいるだろうと思っていた悠理は、頭の片隅でそんなことを考えていた。

 年齢は20代後半だろうか、とても若く見える。そして、白衣がよく似合う真面目そうな印象を与える男だった。

 ――今は気にしないでおこう。

 危なげな足取りでベッドにたどり着いた悠理は、ほとんど倒れるように横になった。

 どことなく呼吸も荒い彼女に掛布団をかけながら、三ヶ島は彼女に体温計を差し出す。


「とりあえず、熱を計ろうか」
「……はい」


 熱がないことぐらいわかりきってはいたが、それでも差し出された体温計を受け取る。

 そして三ヶ島がカーテンの外へ出て行ったのを確認して熱を計ると、やはり数値は平熱を示していた。

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