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ふたりれず

第2章 池の中の二人

綺麗に手入れされた夏の花々を満月が照らしだしている。

辺りには、ほのかに湯気が立ち上っている。

蛙の鳴くような声が、辺りにこだましている。

花々の間を走る曲がりくねって走る道を、二人の裸の少女が歩いている。

この日は典型的な熱帯夜で、裸でも暑く、二人の体は、じっとり汗ばんでいる。

「やっぱり、ミミの庭って、いつ見てもやっぱりすごいよね。」


「モモのだって、いいと思うけどな」

二人はいわゆる良家のお嬢様であった。ミミは洋風の、そしてモモは和風の、相当大きな屋敷に住んでいる。

家の親同士も非常に仲がいいが、自分たちの一人娘が、このような関係になっているとは、思いもよらないだろう。

二人は頭がよく、両親、家臣にも信頼されていた。

だからお泊りがしたいと言えば、簡単に許しが出たし、行動をいちいち監視されることもなかった。


その隙を突いて、二人は大胆な遊びに興じていた。

この庭は、今はいわば二人だけの世界だった。


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