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ふたりれず

第2章 池の中の二人

二人はしばらくの間とろけた瞳で互いを見つめ合っていた。


あたりには噴水の水がはねる音だけが涼しげに響いていた。


「行こう。」


「うん。」


二人は三度手を取り合い、噴水のある池に静かに足を踏み入れた。


上気した二人の体に、水の冷たさが心地よかった。


二人は、大理石の石段の上にのぼった。


二人の体を、噴水の水が洗い流していく。


「好き」


どちらからともなくそう言って抱きしめあう。


弾力のある乳房を押し付け合い、股間に盛り上がる丘をこすり合わせ、すらりと伸びる4本の脚を絡めあった。


二人は、互いの性器をこすりあいながら、石段に腰を下ろす。


貝合わせの格好になり、体を大きく揺さぶって、互いの性器に振動を与えていった。


「ああん、はあん・・・」


二人のあえぎ声が周辺にこだましていく。


その間も噴水の水は二人にシャワーのように降り注いでいく。


「ああっ、ああっ、あっ、はあっ、あっ、ああっ・・・」


二人の腰の動きが加速し、声のボリュームが上がっていく。


やがて、快感の波が二人に押し寄せてきた。


「いい!いい!いくぅぅぅぅ!!!!!」


二人は同時に叫びをあげた。


押し付けあっていた性器からは、まるで口をふさいだホースから出る水のように、辺りに勢いよく潮が撒き散らかされる。


とびのくように体を離し、向かい合ってしりもちをついた次の瞬間、二人の性器から、より勢いよく、潮が吹き出した。


潮は放物線を描いて空中でクロスし、相手の顔面に降り注いだ。


それからしばらくの間、二人は恍惚とした表情で火照る体を寄せ合い、噴水が体を冷やしていく心地よさを感じながら、満月を見つめていた。

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