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少女おなにー

第1章 体育倉庫にて

「体育倉庫の掃除もしてくれたんだって?さすが彩菜はできる子ね。」

「ありがとうございます。ちょっといろいろと汚いのが目についたものですから」

実際はそれが自分の秘め事の痕跡を隠すためにされたことは言うまでもない。

「でも、体育館の鍵を返し忘れるなんて、彩菜にしてはめずらしいミスをしたね。」

「すいません、今度からは気を付けます。」

本当はあまりに長い時間気を失っていたため、学校の職員が全員帰宅してしまっていて、鍵を返すことができなかったのだ。

あのあと、泥棒のように塀を乗り越えたり、親に苦しい言い訳をしたりと、結構スリリングな思いをした。

「どうでもいいけどさ、彩菜の足、すごくきれいだよね。正直、うらやましいわ」

チア用にはきかえる前の私の素足をみつめて、先輩はつぶやいた。

「日々、きちんとケアするといいんですよ。」

「へえ・・・」

「それこそ、舐めてもいいくらいに」

「彩菜には似つかわしくない過激な例えだね」

ハハハと笑って、先輩は更衣室を後にした。

私はその後ろ姿を、不敵な笑みを浮かべて見送っていた。

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