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あなたのそばで笑っていたい

第5章 いつもと違う学校とアルバイト

『なんかさぁ~。』


あやめがニヤニヤこっちをみる。


『けんとさんのえみを見る目がますます優しくなった気がするんですけど~。』


『確かにぃ~。』

と、あやまでニヤニヤ。


『昨日ちょっとキスを………。』


『『キス~!!!?』』


ニヤニヤと二人はけんとを見て、
けんとは聞こえないふりをして…、
私はシーと二人の口元に人差し指をあてた。


『なになに、で、どっちから?』

と、あや。


『って、いうかどこで?』

と、あやめ。


『え?…でもそういう仲じゃないっていってたよね?』

と、あや。


二人の質問攻めに、たじたじ…。


『私もけんとの気持ちを知ったのは昨日。』


『『へぇ~、それでキスしちゃうんだ。』』

(ハモってる。)


『で?私も好きっとか言ったの?』

と、あやがお弁当を食べながら聞く。


『ありがとう。嬉しい。とは言った。』


…。


二人は黙ってしばらく私を見る。


『『何それ?』』

(またハモってる。)


『ドキドキしないって言ってたけど、ホントに好きなの?
好きじゃないのにファーストキス?』

と、あや。


『まぁまぁ、いいじゃん。
これから好きになるパターンもありあり。』

と、あやめ。


(あんまり深く考えてなかった…。

けんとといる時間で何度も気持ちが救われたし、
体の痛みを忘れて心の痛みは癒えた。

だから、私を好きだと言われて嬉しかった。

キスもイヤじゃなかった…。

ドキドキしない恋もある?

一緒にいて安心できる恋も…。)


『まっ、見守って行こうよ。あや様。』


あやめがあやを落ち着かせるように、この場をおさめた。


『けんとが傷つかなきゃいいけど。』


ボソッとあやの一言が気になった。


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