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あなたのそばで笑っていたい

第6章 土曜日

どうやって階段を登って部屋に入ったか覚えていない…。


左腕を見ると、
鳥肌がたつようなくらい、
人の手で捕まれた跡がくっきりとついている。


『はは…。ホラーだ…。』


父親に言われた言葉を思い出す。


(かばってくれるのかと思った…。)


『避妊って…。』


(けんととは…そんな関係じゃないのに…。)


ヒリヒリする額に右手で触れる。


『イッ…』


(イタい。これって皮がぺろって剥がれてるよ…。)


『あはは…。

この家でいないも同然なのに…。

バイト辞めて、寮も駄目で…。

あは…は…。』


涙が止まらない。


声を出して泣いたら、あの人が来て叩かれる…。


布団に顔を押し付けて、声を殺して泣いた…。


誰か…助けて。

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