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あなたのそばで笑っていたい

第10章 新しい居場所

気がつくとソファーに寝かせられ、
タオルケットが掛かっていた。


(…おさむ兄。)


《パタン》


冷蔵庫を閉める音がした。


キッチンを見ると…。


『えみ。起きた?』


カウンター越しに、
上半身裸でタオルを首にかけてるお兄ちゃんが見えた。


私は下を向く。


『寝ちゃってたみたい…。』


お兄ちゃんが近づき…
前まで来た…。


『はぃ。お茶どーぞ。』



お兄ちゃんのズボンが見えたので、
安心して顔を見た。


『ありがとう。いただきま~す。』


コクン。


『下履いてないとないと思ったでしょ?』


ブッ…


『ゲホっ…コホンっコン…。』


『おぃ大丈夫かっ!!?』


背中をさすられ、
肩に掛かっていたタオルで口を拭いてくれた。


『フッ。えみは想像力が豊かだからな。
結構エロいのかもな(笑)』


『エロいのはお兄ちゃんでしょっ。上半身裸で…。』


『下は履いてるよ~。
上半身裸でエロいなら、海もプールもえみには刺激が強いかな(笑)』


『もう~。』


『おっ、ほっぺた膨らんだ(笑)』


フフフっ。


『やっと笑ったな。』


(えっ?)


『えみは笑ってる時が一番可愛いよ。

泣いてる時も怒ってる時も、オレにとっては全部可愛いけどね(笑)』


ドキっとした…。


お兄ちゃんのはにかんだ顔からしばらく目が話せなかった…。


(おさむ兄、かっこいいからなぁ。

そりゃぁ、こんだけかっこよければ、ドキドキも普通にするよ…ね?)

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