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あなたのそばで笑っていたい

第11章 初めての携帯

次に来たのは、携帯売り場。


『えみが使う携帯だから、自分で選んだ方が良いと思って。』


携帯…。


今まで、バイト代で払うと言っても…
持たせてもらえなかった携帯…。


『おすすめはコレ。』


パールホワイトのスマートフォン。


『おさむ兄、それにする!』


『俺と色違いの携帯だから、言っただけだよ(笑)
何でも選びな。』


『ううん。その携帯が良い。』


はじめての携帯…。


幼稚園の頃、サンタサンからプレゼントを貰った…
あの時のようなワクワクと嬉しさが込み上げる。


……。


手続きが済み、携帯が手渡される。


『ありがとう…!!お兄ちゃん。ありがとう。』


『うん。』


頷いて優しく微笑む。


『ここ押して…こうすると、オレのアドレスがあるから。』


お手本を見せてくれる。


『わかんないとこあれば、少しずつ教えるよ。』


『うん。』


携帯を大事にバッグにしまった。


『今日はお兄ちゃん。たくさんありがとうございました。』


丁寧に頭を下げて、お礼をいう。


『何言ってんだ?次行くぞ。』


『へっ…?』

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