いつかは忘れられるんだね…
第7章 本当の意味での初恋
「だって
いきなり家に呼ばれたから
怪しいって思って…」
本当は違う
好きな人
大好きな新井先生に好きになってほしくて
えっちをしに行った
「それはごめん
たしかに俺も男だし
家で二人きりになったらそういう雰囲気になるかもしれないけど
新井先生に負けた気がして
ショックだわ~」
本当にこの人
悲しい顔をする
「ドタキャンしたことは謝ります…」
しばらく
というより
かなり長い時間
沈黙が続いた
夏だと言うのにもう外は日が落ち始めていた
田舎の喫茶店だから他に人は誰もいない
私は
「目つぶって」
先生のこの悲しそうな顔を笑顔にしてあげたいと思ってしまった
だからキスしてあげたいと
思ってしまった
先生もその言葉の意味をわかったようで
でもやはり人目が気になるのか…
「カーテン閉めようか」
と言った
そして二人でひとつひとつ
カーテンを閉めて
席に戻った