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恋愛アノマリーズ×1学期

第1章 新堂寺家の掟

「本当にわかってんのか?全寮制の男子校に行って、連中の慰み物になれっつってんだぞ?」


 珍しく乾いた声でそういう雪斗兄さんに、私は「わかってます」と返事をした。

 そう、今年で16歳になる私は4月から男女共学の高校でも女子高でもなく、完全な男子高へ通うことになっている。

 正確に言えば明日は未だ引越しの段階であって、入学式は明後日なのだけれど、とにかくそういうことだ。

 その男子高は『青陵(せいりょう)高校』という、明治時代に創立された私立の高校だ。

 創立者は何代も前の新堂寺家当主なのだそうで、今でも理事長は現当主が務めている。

 要するに雪斗兄さんが理事長をしている男子校へ通い、そこの生徒たちの性欲を満たせと、そういうことらしい。

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