恋愛アノマリーズ×1学期
第2章 入学式前日、先生と
「久しぶり、遥さん」
「久しぶり、小依」
青陵高校へと向かう直前、本家から車を出してもらうことになった私は、春休みで一時的に帰省していた遥さんと同じ車へ乗り込むことになった。
最後に顔を合わせたのは元日の寄合、かれこれ三か月ぶりだろうか。
加えて、私は本家に一昨日から滞在しているはずなのに、その間一度も会っていない。
本家の屋敷は昔ながらの日本家屋でとてつもない広さを誇っているため、その広さのせいだということもできなくはないだろう。
「今日からよろしくお願いします」
隣の座席に腰かけている遥さんへそういうと、彼はいつもの無表情で「ああ」と言った。