恋愛アノマリーズ×1学期
第3章 入学式前日、兄さんと
制服をすべて身に着けて、私はふらつく意識の中、九条先生に手を引かれて外に出た。
寮へ向かうためだと九条先生は言っていたけれど、少しだけ休むか、もう一回ぐらいしたかったのに。
残念、と心の中で呟いて、子宮で揺れている精液の感触に吐息が熱くなったような気がした。
「ここが小依ちゃんの寮ね」
そう不意にかけられた声で、目の前に校舎と同じような赤いレンガの外壁をもつ建物に気が付いた。
しかし、私の思っていたものとは違っていて、首をひねる。
「でも、ここって普通の家じゃ……」
テレビなんかでよく見る一般家庭の住居をみっつほど足したような、そんな大きさだ。
五人家族は悠々過ごせるだろうけれど、寮というには少し小さい気もする。