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紙ヒコーキ

第2章 はじまり

ふと手元をみると、私は無意識のうちに、あの悲惨な再生紙で紙ヒコーキを作っていた。


昔から、紙ヒコーキをつくるのがスキだった。



大きな部品や、細かな細工、複雑な計算、

そんなものが一切ないのに、空を飛ぶことができる。


ただの紙なのに。



昔からの工夫や経験のおかげか、どうすればよく飛ぶのか、真っ直ぐ飛んでいくのか、

感覚的にわかるようになっていた。



私は、途中でカーブして、投げると自分のところに戻ってくる―――いわば、ブーメランのような紙ヒコーキを作った。


そして、それを飛ばした。



もちろん、屋上の外に落ちないように、中に向かって投げた。

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