一万回目のプロポーズ
第11章 妨げ
あたしは静かに、から揚げテンコ盛りの皿を持って
自分の席へ戻った
「え、明奈そんなに食べんの?」
食べるわけないでしょーよ香織さぁん
『なんか…持ってっとけって言われた』
「へぇ」
あたしはとりあえず、それをテーブルに置き
他の料理を食べた
ああ、美味しいです…
修学旅行大好き…
「ご苦労さん」
突然あたしの顔の横を、ニュッと腕が伸びた
その手はから揚げをひとつ摘むと
そのままさらっていった
「ん、うまい」
ペロッと口の端を舐め、俊司はあたしの頭をポンポンと叩いた
おい、その手は今から揚げを掴んだ手じゃないのか!?
『持ってってよ、これ』
あたしは顔をグイッと上向けて、俊司の顔を見た