一万回目のプロポーズ
第2章 8年の溝
あんなに小さかったあたしたちが、今では15歳
立派な中3だ
「―――よーし笹川ぁ、問4の答は何だー?」
『え』
窓から顔を離し、教壇の方を見てみると
数学の先生があたしを見ていた
『と…問4…』
ど、どこどこ!?
問4はいずこー!?
教科書をペラペラとめくっていると、隣からボソッと聞こえた
「2,5㎝」
『2,5㎝!!』
咄嗟にそう叫んだ
叫ぶ必要なんてないのに…恥ずかしすぎる
「よし、そうだな、正解だ。じゃあ次は川原ー…」
先生はあたしから目を逸らしていった
…助かった
ちらっと隣を見てみると、俊司はこっちに向かってピースしている
宿題やって来ないくせに頭がいいから
ホントにむかつく