一万回目のプロポーズ
第5章 ちょっとは近づけた
「へー」
隣から声が聞こえた
振り向くと、俊司が頬杖をつき、こっちを見ていた
『…なに…?』
「山口君が好きなんだー」
俊司はそれだけ言うと、そっぽを向いた
…え?
ちょおっと待て
『違うよ、誤解誤解、俊司どうしたの~?』
「…」
シカトかい!!
『ちょっと、違うんだって!!』
あたしが俊司の机をバンバンと叩くと、俊司はやっとこっちを向いた
が…
「ん?
何か用か、笹川さん?」
"笹川さん"…
『なっ、何なのさ!?
何でそんな鼻につく喋り方すんの!!?』
「えー?
いつもと変わりませんが」
『うざっ、しね!!』
「生きます」
ガンッと俊司の椅子を蹴り、あたしは教室を出て行った