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一万回目のプロポーズ

第5章 ちょっとは近づけた




「なぁ、ちっさい時、プロレスごっこしなかった?」



突然話を切り替えられ、あたしは一瞬戸惑ったものの

すぐにその話に乗った




『した。あたしがいっつも俊司に勝ってた』




「あの時は、明奈の方が背ぇ高かったもんな」





あ…


また"明奈"に戻った






『うん、ってか俊司が小さかった』




「まあなー、俺負けてばっかしだったから、いっつも明奈に乗っかられてた…

今は…」




少し強い風が吹き抜け、あたしの顔に髪がかかり


俊司はそれをそっとどけてくれた





「俺の方が、上だけど」





倒されたまま



俊司から目を離すことが出来なかった






『だって…もう俊司…あたしの倍くらい背ぇ高いじゃん…』




「それ言い過ぎ。
どんだけ凸凹コンビなんだよ(笑)」




『あたし…』




見つめられたら



息も出来なくなる…




そんな笑顔向けられたら






死んじゃう…












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