一万回目のプロポーズ
第6章 もうやめて
「俊司、お疲れ様」
俊司が駆け寄ってくると、千尋は嬉しそうに微笑んだ
「ずっと待っててくれたの…?先に帰っとけばいいのに…」
「ううん、いいの」
そう言い、千尋は俊司の手を取った
「…帰ろ?///」
「…おう」
手を引かれるまま、二人は帰っていった
―――――――
「あー…疲れた」
俊司がため息をつくと、千尋は俊司の頭を撫でた
「よしよし」
「…」
俊司が何となくその頭を揺らしていると
千尋は突然足を止めた
「俊司…」
「ん?」
俊司も止まり、千尋の方を向いた
千尋は弱々しい声で、何とか聞き取ることの出来るような声量で言う
「明奈と…仲良くしないで」