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愛のかけら

第2章 夜空に咲くはな

出会った夏から一年経った

時々秋豊の業務を手伝って、連休には一緒に出勤するときもある

今は夏休み

去年と違うのは、相思相愛・正真正銘のカップルということ

そして今夜は花火大会

・・・まぁ、自宅のベランダで一望出来るため出掛けはしない

秋豊は仕事で、20時には必ず帰ってきてと強く強く念を押し、昼にもメールして、夕方には電話した

流石にちょっとしつこいけど、一緒に見たいという思いが強かった

秋豊も呆れながら優愛へ対応する

優愛は、クローゼットの収納ケースから紺色の生地にピンクの鞠と金糸が散らばったデザインの浴衣と、表が紫で裏が赤の反幅帯を出した

一昨年大人っぽく見られたくて、母親に強請って買ってもらったものだった

懐かしげに撫で、母に教わった通り着付けていく
帯を締めるのに、苦戦したがまぁまぁの出来だった

あれからずっとのばした髪を纏めてアップにする
大きめの花のヘアクリップを留めた

付き添って社交界に招かれ続け、お化粧も出来るようになってきた

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