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掌の浜辺

第4章 冬 - make -

7.雪の上の野球 -1-

 「始めるぞ-」
 「は-い!」
 「おっけ-です」
 「いいよ☆」
 「あい」
 「お-」
 「はいっ♪」
 「はい」

 小野里さんのかけ声に、私たちは返事をして、今野球が始まった。軽くキャッチボ-ルをしてから、まずはトスバッティング。ホ-ムベ-スに小野里さん、一塁ベ-スにりょうこさん、二塁ベ-スに平石さん、三塁ベ-スに叶さん、一塁と二塁の間に私(ゆうこ)、レフトにケンイチさん、センタ-にナオトくん、ライトに赤川さん。懐かしい(笑) あっ、ちょっと言い忘れていたことがあった。野球ボ-ルが雪にうまっちゃわないように、地面をならしておいた。それと、あんまり遠くに飛ばさないようにするってみんなで決めたから、内野も外野も少し前の方に移動していて。そんな感じで、最初にボ-ルは平石さんのところに転がっていった。

 「きた」
 パシン
 「はい」
 小野里さんの方にボ-ルが戻される。
 「次、赤川行くぞ-」
 「待ってますよ」
 カ-ン
 打ちあがったボ-ル。弧を描いて、赤川さんの方に。
 パシッとボ-ルをつかんだ。続いて、ケンイチさんのところ、と思ったら空振り。
 「すまん。もっかい」
 カッキ-ン
 「あ、やべ」
 「むり」
 飛びすぎちゃって、外野の奥まで伸びていった。
 「すま-ん!三度目の正直」
 カ-ン
 今度は、ちょうどいい距離感。スポンとボ-ルはグロ-ブの中におさまった。

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