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掌の浜辺

第1章 春 - story -

2.出来ない

好きなのに嫌い
これがあてはまる事柄について考えてみた
何があるだろう


 その日の授業が終わり、オレは寮に戻った。
 ゼミの課題やんなきゃ、実習レポ-ト手つけてなかったし、就活の予定ってどうやって決めんだよ、てか集めてる雑誌そろってね-、CD買いたいけど金欠だからな-、そんなときに誕生日プレゼント用意しろって何、あ-遊びて-のに。
 シ~ン…
 頭の中で考えていることが独り言のように聞こえたからか、とてつもなく恥ずかしい気持ちになった。

 翌日、木曜日、この日は憂鬱だ。なりたくもないゼミになってしまった上に、オレが卒論で書こうとしていたことが書けなくなってしまった。それは担当教員の専門分野外だったからなんだけど、だからと言って他のものにしろって何。好き好んでおまえのゼミ選んだわけじゃね-んだから、専門分野じゃなくても何とかしろよって感じ。もしおまえが逆の立場だったら、どう思うんだよって聞きたくなるし。学生の意見を尊重して受け入れた態度で接するのがフツ-だと思わね-のかよ、大学教授っていうのは。ま-、こう愚痴っても意味ね-のはわかってるけど何か納得行かないっていうか。
 (ゼミ仲間が良いメンバ-だったのが唯一の救い)

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