テキストサイズ

掌の浜辺

第1章 春 - story -

32.なぜ

そのメ-ルを見たゆうこりん
しばらく立ちすくんだままだった
バイトの帰りだった


 沈んだ気持ちで迎えた夜11時過ぎ、メ-リングへの返信は1通のみ。

 返信メ-ル

 件名:Re:部の解散について

 本文:青葉裕子@野球同好会からメ-リングへの返信が届いています。

 小野里さん、こんばんわ。夜遅くにすみません↓ 青葉です。どうしても伝えたくって…o(>_<)o

 小野里さん、解散はやです。せっかく、知り合えたのに。迷惑だったらごめんなさい…

     青葉

 「はぁ…」
 ため息。魂が抜け落ちそう。気力がもうない。
 「…11時24分」
 時間がたつのがすんごい遅い。何もしていないからだろうな。何もする気になれない。
 「どうしよう」
 どうしようと思ったって何すんだよ。俺。どうしようと思うこと自体おかしいよな。何をしたいのかわからん状態で。
 「…腹立つわ」
 何に対してむかついてんだ。このふがいない自分。憎すぎる。情けない。もう消えてなくなりたいとかそう思う。どうしたってもうだめだろうな。
 「11時24分…」
 結局、この日はメ-ルの返信ができずに彼は眠りについていった。一方、ゆうこりんは。
 「うぅ…」
 落ちこんだ気分のままだった。


部のことについて
気がかりに感じている人はいる
ただ
そう思っていたとしても
道理が異なるのであれば
また
視点が食い違っているのであれば
対立するのは当然だろう
しかし
かといってそれを無理矢理
ねじ曲げようとすることは
両者の
関係を絶つということを意味することになる
自滅行為というか道連れ行為を犯す
という
ことと等しいくらいにリスクの高い行いであり
そんなことで散らばるくらいなら
今すぐ
こうやって散らばった方が断然いい

ストーリーメニュー

TOPTOPへ