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掌の浜辺

第2章 秋 - heart warming -

 「すみません。そろそろ行きます」
 「お」
 セミナ-会場へ向かう赤川。あんまり乗り気じゃないみたいだけど。
 持っていたブラウニ-入りのかごバッグを俺は受け取り売り歩きを続けるーふりをして、赤川がいなくなったのを見計らって料理講習会のやっている教室へ向かう。その途中で焼きそばを買って。と、後ろから声がした。
 「あっ、おつかれ♪どう?」
 平石だった。叶さんと一緒にクレ-プを握りしめている。
 「ぼちぼち」
 かごバッグを見せる。
 「結構売れてるね!よかったぁ。午後もがんばろうね」
 「お」
 「はいお客さんやきそば」
 「どうも」

 「おつかれさまです」
 「おつかれ-」
 ピアノ演奏の3人もその教室に集まっていた。何気にケ-キを食べている。聞いてみると、粉もの・ときたまご・サラダ油をタッパ-に入れて混ぜるだけでレンチン。5分とかからずかんたんケ-キのできあがり☆ とのこと。やってみたら、空気を抜き忘れて微妙な感じに。でも、味はよかった。
 「ごめんなさい。言えばよかったですよね」
 「大丈夫」
 「あ、はい。ありがとうです」


”あったかい”
そんな空気が戻ってきた私たち
元野球同好会
活動していたときのことが
少し
思い出される
なつかしいな
って
感じちゃっているってことはやっぱり
もう部活はないんだなって
改めて思う
ちょっと悲しい

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