ガーディスト~続編~
第7章 視えない男(前編)
「今回の依頼人は、霊に命を狙われています。そんな危険な状況の中、つばきを同行させるわけにはいきません」
「ゆーじ…」
(足手まといとかじゃなくて、あたしの身を心配してくれるなんて…!!)
つばきの胸がキュンとなった。
「あ、今つばきちゃん、祐司くんに惚れたでしょ?」
「は?えっ…」
「クスクス、可愛いなぁ」
乙姫が呑気につばきをからかってると、
「茶化さないでください」
祐司がイラッとした口調で言った。
「クス、祐司くんはつばきちゃんが絡むと余裕がなくなるんだねぇ」
相変わらず表情を変えず、乙姫は自分のデスクからあるものを取り出した。
「はい、つばきちゃん」
「なんですか?」
渡されたものは、翡翠(ひすい)の勾玉だった。
穴の空いた部分には紐が通されており、首にかけられるようになっている。