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ガーディスト~続編~

第7章 視えない男(前編)

「名古屋駅までまだ時間があります。それまでゆっくり休んでてください」



祐司がそう気遣うと、浅井は顔を窓側に向け目を閉じた。
その姿を、つばきは心配そうに見ている。



祐司は座席に深く座り込むと、額を押さえ大きく息を吐いた。
依頼人を危険にさらしてしまったことを悔やむ。



「…ゆーじ」



ふと気付くと、つばきがこっちに振り向いていた。



「…どうした?」



「ひとりで背負わないでね?何かあったらあたしに言ってね?」



つばきは心配そうに祐司の顔をうかがった。



「あぁ…ありがとな」



微笑む祐司を見て安心し、つばきは前に向き直す。



(だめだ、しっかりしないと)



どんな状況でも、うろたえてはいけない。
心配させてはいけない。



祐司はより一層気を引き締めた。



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