ガーディスト~続編~
第1章 死んでもストーカーする男(前編)
朝の通勤ラッシュ時間。
電車の車両のドアが開くと、ぎゅうぎゅう詰めだった人の波が一気に溢れ出す。
ダンッ!!
背中を激しく押され、ホームに転がってしまう若い男。
「…っ」
コンクリートの床にポタポタと赤い血が滴り落ちた。
男は片手で鼻を拭う。
そんな男に、通勤者は誰一人構わない。
むしろそんな位置に座り込んで邪魔だと、睨んで去っていく者もいた。
男が散らばった鞄の中身を拾おうとすると、視界に白いハイヒールを履いた足が目に入る。
「大丈夫?」
頭上から凛とした女性の声が響いた。