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ガーディスト~続編~

第8章 視えない男(中編)

「な、なにっ…」

「しっ!なるべく気配を消せ」



次にザクザクと、家の周りを歩く音がした。
薄手のカーテン越しに窓の外を見ると、黒い人影が何人も見える。



「…っ…」



異様な雰囲気に、つばきの体はガタガタと震え始めた。



(まだ、終わってなかったんだ…)



そんなつばきのもとに、祐司は静かに歩み寄る。



「…大丈夫だから」



小声で囁かれて、優しく手を握られた。



(ゆーじ…)



しっかりと握られた手からは、祐司の体温が伝わってくる。



(…良かった、いつものゆーじだ)



つばきはホッとする。



つばきが落ち着いたのを確認すると、祐司は静かに立ちあがった。



「…浅井さんの様子見てくる」

「…うん…」



つばきは、祐司の背中を寂しそうに見つめた。





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