ガーディスト~続編~
第9章 視えない男(後編)
(全くあなたって人は本当に…
見せかけではなく、他人のために命を張って守ってくださるんですね…)
「村上さん…ありがとうございます。あなたにお願いして、本当に良かった…」
「浅井さん…」
「おかしいと思ったら、すぐに言ってくださいね。あなたはこんな所で死んではいけない人だから…」
「…」
「私のように助けを求めてる人を、沢山救って欲しいんです。だから、絶対に死んではだめです」
浅井の真っ直ぐな想いが、祐司の胸に突き刺さる。
「絶対に、生きてください」
「……はい」
浅井の言葉で、身が引き締まる。
「つばきさん、村上さんを頼みますね」
「あ、はい…もちろんです!」
つばきは涙目で答えた。
(あたしがしっかりしないと…!きっとゆーじはどんなふうになったって、自分よりも周りを優先するだろうから…)
つばきはキュッと祐司のスーツの袖を掴んだ。
その手は小刻みに震えている。
「…」
祐司は無言で、自分の手をつばきの手に重ねた。