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ガーディスト~続編~

第1章 死んでもストーカーする男(前編)

祐司の胸に顔をうずめ、綾は声を押し殺しながら泣き始めた。




「……」




またこのパターンか、と護は驚く様子もなく周りを確認し始める。
一方祐司は顔色ひとつ変えることなく、綾が落ち着くのを待った。




部屋は2LDKの広さだった。
護は一部屋ずつ確認し、不審者が潜んでいないか、部屋の中に入ってきた形跡がないか調べ始めた。




「…大丈夫ですか」




泣き声がやんだので、もう一度声をかけてみる。綾は深く息を吐き、「ありがと…」そうひとこと言って祐司から離れた。




「大丈夫ですよ、我々があなたを全力でお守り致しますのでご安心ください」




そう言って祐司は綾に優しく微笑みかける。不安げな表情が笑顔になるのに、そう時間はかからなかった。




「青木さん、ちょっと来てくれますか」




護に呼ばれて、綾と祐司はリビングに入って行く。




「ひととおり調べましたが、一カ所を除いては問題なしでした」




「一カ所って…」




「ここを見てください」




護は、テレビのそばのコンセントを指差した。そしてガコッとはずすと、コンセントの裏側を綾に見せる。




「!!」




そこにあったのは小型盗聴器だった。



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