テキストサイズ

ガーディスト~続編~

第1章 死んでもストーカーする男(前編)

4階に着くと、女性はヒールをカツカツと鳴らし歩いて行った。
エレベーターのドアが閉まると、護はハァッと息を吐く。




「祐司、お前ずっとあの人の尻見てただろ」




「…見てませんよ」




何を言ってるんだこの人は、というような顔つきで祐司は護を見た。




「さては欲求不満か?」




祐司は「ふぅ」と小さく息を漏らし、にやつく護を無視した。
そしてエレベーターのドアが開くと、スタスタと歩いて行く。




「待てよ、祐司ぃ」




そんな護の言葉もお構いなしに、祐司は綾の部屋のインターホンを鳴らした。
会社名と名前を名乗ると、静かにドアが開いた。




「…入って」




綾は一言だけ言うと、祐司と護を中に入れた。




綾の姿は昨日とはうって変わってひどく乱れていた。頭はボサボサ、ノーメイク、スウェット姿、とても昨日と同一人物とは思えない。




「大丈夫ですか?」




祐司が優しく声をかける。
綾は無表情で祐司を見た後、唇を震わせた。




「…かった……怖かったのぉ…!」




そして顔を歪ませながら、祐司に抱きついた。





ストーリーメニュー

TOPTOPへ