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ガーディスト~続編~

第2章 死んでもストーカーする男(後編)



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その頃つばきは、駅前のケーキ屋さんに来ていた。




「どれにしようかなぁ…」




ショーケースの中に、たくさんの種類のケーキが並んでいた。
どれも美味しそうで、なかなか一つには絞れない。




「まだぁ?」




隣で女性の声がする。
振り向くと、会計をしている美夏の姿があった。




「先座ってて」




つばきは喫茶の方を指差すと、再びショーケースに目を向けた。




(チーズケーキは今度みんなと食べるから…モンブランにしよっ)




あれから結局、青木綾からの再依頼があり、祐司たちは現場に直行した。
「つばきちゃんは上がっていいよ」と言われたので、複雑な心境ながらも会社を出たのだが、一度期待を膨らませた心はなかなか元には戻らず…。




「しょうがないじゃん、そういう仕事なんだし」




チョコレートケーキを口に含みながら、美夏が言った。




「ん、美味しい!やばい!」




美夏があまりにもリアクションするので、つばきもモンブランを口に運んでみる。




「なにこれ、今まで食べたのよりめっちゃ美味しい!!」




そのあまりにも美味しい味に虜になり、つばきたちはあっという間にケーキをペロリと食べてしまった。




紅茶を含み、ホゥッと息をつく。




「あ~幸せ♪」




さっきまでのモヤモヤした気持ちも、どこかにいってしまったようだ。




「良かったね、元気になって」



「うん、教えてくれた圭吾さんに感謝しなきゃだね」




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